【津】三重県津市一志町のボランティアガイド団体「一志町歴史語り部の会」(海野幸子会長、会員13人)が、設立20周年を迎えた。古墳時代の遺跡や万葉集ゆかりの地、養蚕製糸業など多様な一志地区の歴史を、ウォークイベントや講演会、JAみえなか郷土資料館の案内などを通じて今に伝えている。
同会は平成16年1月設立。10周年からこれまでの10年で案内した人数は1万3千人を超える。会員の年代は70―80代で高齢化が課題だが、地元小学校の農業体験や資料館での校外学習指導など次世代への継承に努める。
20周年記念誌としてこの10年の歩みをまとめた冊子「活動の記録」を160部作成。年度ごとの活動内容のほか、会員全員とOBがそれぞれの思い出を寄せており、市一志図書館や町内の公民館で見ることができる。
初代会長の吉村武司さん(89)は「最初の10年で作った基本に新しい形が生まれてきている。若い会員が増えるといい」と話す。
海野会長(78)は「ふるさとの歴史を語り伝えることが私たちの目当て。大きく変化する時代に、かつてのものが大切に守られ伝えられていくことを望む」と話した。