伊勢新聞

高校生が避難所運営考える NIE実践校の津工業、多様なシミュレーション

【避難所運営ゲームの取り組みを発表する生徒ら=津市半田の県立津工業高で】

【津】教育に新聞を活用するNIE活動本年度実践指定校の三重県立津工業高(津市半田)が、大規模災害時の行動を考える防災学習に取り組んでいる。1月から電気科の2年生35人が7班に分かれ、ゲーム形式で避難所運営を考え、8日に成果を発表した。今後1月の1カ月間の新聞6紙を活用し、能登半島地震におけるトイレ問題を学ぶ。

災害時の避難所指定を受ける同校で昨秋地域の避難訓練をしたことを受け、生徒が具体的に考えるきっかけにしようと計画した。

ゲームはさまざまな条件の避難者カードを同校の体育館や校舎にどう配置するかをシミュレーションするもの。高齢者や車いす利用者は通路側に▽同じ地区同士は近くに―などの配慮は各班共通していた一方、妊婦への対応は「家族で個室」「面倒を見る女性と2人1部屋」「女性が多くいる体育館」など意見が分かれた。

県防災アドバイザーの大須賀由美子氏は「災害において困ることは普段から種がある。普段の生活の中から想像して」と講評。和賀結叶さん(17)は「一人一人意見を出し、話し合うことが一番大事と思った」、松田大煌さん(17)は「この学習をして能登の地震が他人事でないという気持ちになった」と感想を話した。