能楽を児童ら体験 亀山の小学2校、面付けすり足

【高砂を披露する能楽師ら=亀山市能褒野町の市立川崎小学校で】

【亀山】岡三加藤文化振興財団(三重県津市中央6丁目、新堂弘幸理事長)は7日、亀山市立加太小学校と同川崎小学校の2校で、「能楽体験観賞教室」を開いた。同財団は、観世流の始祖で能楽師の観阿弥(かんあみ)が現在の伊賀市で出生していることで、県内の小・中学校を対象に約20年前から毎年、同教室を開き、日本の伝統芸能「能楽」の普及活動をしている。

亀山市能褒野町の川崎小学校では、6年生84人が参加。能楽大倉流小鼓方16世宗家の大倉源治郎氏が囃子方の小鼓や大鼓の音色の特徴を説明した。また、児童らは能を舞う「シテ方」のすり足などの歩き方体験や、能楽師5人が、祝い事の謡の一節「高砂」を披露。児童らも一緒に謡った。

実際に能面を顔に付けた山尾優翔君(12)は「上と下、左右がほとんど見えなかった。囃子方の人のかけ声にびっくりしたけど楽しかった」と話していた。

同財団の上田智章事務局長は「ユネスコ無形文化遺産『能楽』の歴史や文化を、身近に触れていただけた」と見守っていた。