伊勢新聞

5町が仮想自治体アプリ開始 デジタル通貨や健康増進 「美村パスポート」 多気町など

【美村PAYで買い物するデモンストレーション=多気町五桂のごかつら池ふるさと村で】

【多気郡】多気町など三重県中南部の5町は6日、デジタル地域通貨や健康増進などのアプリを一つにまとめた「美村パスポートアプリ」のサービスを開始した。

国のデジタル田園都市国家構想交付金事業。年間約350万人が訪れる多気町の商業リゾート施設「ヴィソン」を核に、多気、明和、大台、度会、紀北の5町が連携し、仮想自治体「美村」として、デジタル技術を活用したまちづくりを進める。大日本印刷や三十三銀行、ヴィソン多気などでつくる一般社団法人「三重広域DXプラットフォーム」が運営する。

【美村パスポートアプリを開始した久保町長(前列中央)ら5町長と事業者=多気町で】

美村パスポートアプリはマイナンバーカードの認証機能を生かし、複数の事業者がつくったアプリを一つにまとめている。

新たにオンラインの医療相談や、健康データを毎日記録する健康管理、スマホで顔を撮影して健康状態を確認する機能を持たせた。

また2年前から運営しているデジタル地域通貨アプリ「美村PAY」と観光ポータルサイト「美村Travel」をリニューアル。美村PAYにクレジットカードからのチャージ機能を加え、現在の加盟店150店舗から拡大を図る。美村トラベルは20人の「美村アンバサダー」が5町の魅力を発信していく。

多気町五桂のごかつら池ふるさと村で5町長と事業者が記者会見した。久保行央多気町長は「一歩ずつ進めていくことができている」とあいさつ。ヴィソン多気の立花哲也社長は「ヴィソンをプラットフォームにして一緒になって地域を盛り上げたい。推進するにはデジタルの力が必要」と話した。

直売所「マルシェグランマ」で大日本印刷の椎名隆之新事業開発部長がスマホでクレジットカードからチャージし、レジ横のQRコードを読み取って買い物するデモンストレーションをして利便性をアピールした。