【津】感染症禍における避難所運営訓練が4日、三重県津市半田のセントヨゼフ女子学園体育館であり、修成地区自治会連合会の28自治会から約170人が参加した。被災者管理や救護など6班に分かれて初動や連携を確認し有事に備えた。
東日本大震災以降、同連合会では市指定避難所の同校と連携した全体避難訓練や防災リーダー研修会に積極的に取り組んでいる。大規模な避難所運営訓練は今回が初めて。
訓練は南海トラフ地震発生から約2時間後を想定。第1の受け付けで発熱の有無を確認し振り分けた後、第2の受け付けで高齢者、ペット連れ、けが人、視覚障害者、外国人などを想定した避難者役に対応した。
外国人への対応では翻訳アプリが思うように使えず苦労する場面も。皆で意見を出し合い「ネットに頼らない翻訳機も必要」「避難所ルールの紙は英語、ポルトガル語、中国語も作っておく」など課題を共有した。
仮設トイレの組み立てやソーラー蓄電池の試運転、日赤県支部による三角巾を使った包帯法の指導などもあり、参加した女性(71)は「来る前は面倒だと思ったがすごく役に立った」と話した。
市危機管理部の別府博次長は「訓練の最大の目的は皆さんが準備し体験すること。これからも地区の防災力の向上に努めて」と講評。同連合会の中川浩雄会長(63)は「防災減災は正しい情報のもとに継続して開催することが大事」と述べた。