伊勢新聞

2024年2月4日(日)

▼台湾総統選で民進党の頼清徳副総統が当選した。中台関係で台湾独立も中国との統一もしない現状維持を継続する。また過去2回の総統選で若い世代の支持を得て圧勝した同党に代わり、今回は第3勢力の民衆党が躍進した

▼「天然独(生まれながらの独立派)」と呼ばれる30代以下の若者世代が台頭している。生まれながら台湾人で、中国人ではないと考える

▼台湾は福建、広東両省から移住した本省人と、国共内戦に敗れ国民党と共に移った外省人が住み、中国語と台湾語、客家語が使われる

▼だが「天然独にとって子どものころから主として使用している言語は中国語であって、台湾語は上の世代の台湾語を使う人と会話するときに使用する」と藤野陽平北海道大学准教授が台湾のキリスト教会を巡る論文(「次世代創造に挑む宗教青年」ナカニシヤ出版)で書いている

▼中国語が母語という状況が広がり、政治が変動したようだ

▼藤野氏は「台湾語をメインとした民族主義から中国語を通じた民主主義へというシフトに迫られる台湾の長老教会である」と、教会にとどまらない課題を示している。