第96回選抜高校野球大会の出場校選考会が26日、大阪市内であり、東海地区代表(3校)の2校目に、三重県の宇治山田商が選出された。春は16年ぶり2度目、春夏含めて5度目の甲子園出場を決めた選手たちは、球春に向けて気持ちを新たにした。
伊勢市黒瀬町の同校グラウンド。午後4時過ぎ、校内視聴覚室で選考委員会のインターネット中継を見守った江崎徹校長が「選考会が終わりました。結果は“おめでとうございます”。東海の代表として精いっぱい戦ってきてください」と出場決定を知らせると選手らの顔に笑みが浮かんだ。
投手陣を中心とした守備から試合をつくり昨年秋の県大会で16年ぶりの優勝。16年ぶりに出場した秋の東海大会は打線もつながりベスト4進出。優勝した豊川(愛知)に準決勝で1点差で敗れて決勝進出は逃したが、堅実な守備とつなぐ打線が評価されて、豊川に続く東海地区2校目に選出された。
豊川に九回逆転サヨナラ勝ちを許した直後は落胆したが、センバツ出場の可能性に向け、実戦に近い練習を積んできた。就任8年目の村田治樹監督は「(昨年夏の県大会決勝でいなべ総合学園に敗れた)3年生の悔しさ、(昨年秋の東海大会決勝目前で敗れた)秋の悔しさを経験して臨めるのは唯一の強み。力はないけれど精いっぱい力を合わせて必ず勝ちにいきたい」。2年生の伊藤大惺主将は「自分たちは(能力が)抜けた選手がいない中一人一人が自分の役割を考えて行動してきた」と話し「甲子園では先のことを考えず目の前の一戦を勝ちにいく。つながりを意識した、山商らしい野球で応援してきてもらった人に感謝の気持ちを伝えたい」と話した。