「加害者憎む人生よりも…」 交通事故被害者遺族、亀山中で講演 三重

【息子の死について当時の心境を話す鷲見さん=亀山市西丸町の市立亀山中学校で】

【亀山】三重県警警務部被害者支援室とみえ犯罪者総合支援センターは26日、亀山市西丸町の市立亀山中学校(岡田健次校長)で、全校生徒613人を対象に「命の大切さを学ぶ教室」を開いた。教職員らも参加した。

岡田校長は「本校は15年前の1月13日、生徒が交通事故で亡くなった日を『命の日』として受け継いでいる。きょうの講演を聞き、これからの生き方や周りとの関わり方などを考える機会にしてほしい」とあいさつした。

同教室では、「いのちの言葉プロジェクト」の代表で、交通事故被害者遺族の鷲見三重子さん(70)=東員町=が講師を務めた。鷲見さんは平成9年、当時高校2年生の息子が帰宅途中に、横断歩道で交通事故に遭い亡くなった。

鷲見さんは「なぜ息子は死ななければならなかったのかと自分に問いかける日々が続いた」とし、「息子は幸せの種をまき終えたんだと、自分なりに答えを出し、加害者を憎む人生よりも、助けてくれる人や支えてくれる人がいる限り、これからも生きて行ける」と話した。