伊勢新聞

2024年1月26日(金)

▼県警の年頭視閲式で、難波正樹県警本部長が「県警察の真価が問われる重要な年」と述べたという見出しを見て、不祥事からの信頼回復を呼びかけたと直感したのは勘違いだった。コロナ禍からの人流や経済活動の回復で、県警の力を存分に発揮しなければならない年だという意味だった

▼昨年の刑法犯認知件数や交通事故死者が前年より増加した。「極めて厳しい状況」という認識で「迅速かつ的確に対処しなければならない」というのだから頼もしい

▼十分な敬意を持ちながらも、愛知県警に伊勢署警部が昨年末逮捕された衝撃は記憶に新しい。盗撮目的で愛知県の住宅内覧会に申し込んだという手口の異常さに驚かされたが、地元南伊勢町での防災イベントでも盗撮していたとして再逮捕されている。常習犯らしいが、愛知県警から提供された事案以外の余罪は明らかではない

▼警察官という立場や経験を悪用した不祥事がこのところ目立つだけに心配になる。難波本部長は昨年末陳謝したが、行為というより「(他県の警察に)逮捕されたことは遺憾」と言っているようなニュアンスなのも気になる

▼昨年11月、バイクの騒音問題で少年を取り押さえた警察官の荒々しい言動が「不適切な職務執行」とされ本部長注意処分になった。バイクの少年らと追跡する警察官らとの言葉の荒さは暴走族同士の争いかと思うほど

▼どちらがどちらか分からないようなやりとりに驚いたことは数年前に書いたことがある。状況に変化はなかったらしい。以上勘違いしたゆえんを長々と…恐縮。