生成AI危険性、生徒34%が理解 亀山高が研究発表とシンポ

【シンポジウムで意見を述べる参加者ら=亀山市東御幸町の市文化会館で】

【亀山】文部科学省の本年度「GIGAスクールにおける学びの充実事業」の「リーディングDXスクール事業(生成AIパイロット校)」に昨年秋に指定された、三重県立亀山高校(廣島朗校長、生徒数586人)は23日、亀山市東御幸町の市文化会館で、生成AI(人工知能)に関する研究・実践の発表とシンポジウムを開催。全校生徒と保護者らが参加した。

シンポジウムは、「今後、生成AIを利用していくために」をテーマに、廣島校長が進行役を務め、文科省初等中等教育局デジタル化プロジェクトチームの藤田琴乃さん、奈良県教育委員会の小﨑誠二主幹、特定非営利活動法人「みんなのコード」の利根川裕太代表理事、同校教諭4人と生徒5人、PTA役員2人が登壇した。

生徒は「何も思い浮かばない時に、瞬時にアイデアを出すAIは頼りになる」、PTA役員は「判断力を養い、危険性も考えて使用してほしい」と話した。

藤田さんは「モラルを守り、使ってみて使い方を見つけ、活用すること」、小﨑主幹は「人間が生成AIに乗っ取られることはない。一緒に考えてくれる友だちとしてこれからは、AIを使える人が社会をリードする」とそれぞれの立場で意見を出し合った。

また、研究発表では、4人の教諭が、アンケート調査結果として、生徒のうち約48%が生成AIを知っているとし、危険性については生徒の34%、教諭の82%が理解していると回答したとした。

活用についての発表では、教諭らは「一つのことを調べるのが『検索』、質問に答えてくれるのが『生成AI』で、文章やアイデアなど即座に答えてもらえるが、それが正確なことなのかの判断力が重要」と述べ、「使い方によっては便利ではあるが、うのみにしないこと」と促した。