三重県議会は都内のスタートアップ企業が開発した業務用ロボットを、議事堂内の警備で実証的に活用する。このロボットを県内で活用するのは初めて。県議会は実証の結果を踏まえ、本格導入の可否を検討する。
ロボットは、都内のスタートアップ「ugo」(ユーゴー)が警備や点検向けに開発した。遠隔操作による移動や撮影、会話などが可能。ボタンを押してエレベーターに乗ることもできる。
実証は2月1日まで実施。日中は議事堂のエントランスに待機し、カメラなどを使って周辺を監視する。夜間は議事堂内を見回り、不審者がいないかや、不審物がないかなどを確認する。
県議会が18日の本会議後に実施する不審物対応訓練でも活用する。訓練は議事堂内で爆発物が見つかったことを想定。ロボットは現場で不審物を監視する役割を担うという。
議会事務局が訓練の実施に当たり、議事堂を警備する「イセット」(津市)に相談したことをきっかけに実証が決定。ロボットを提供するビルメンテナンス会社「大成」(愛知県)が協力する。
同社によると、東京都や大阪府、愛知県などにある一部のオフィスビルでは、このロボットを実際に警備の目的で使用しているが、今のところ県内で導入している例はないという。
議事堂にはエントランスに警備員が常駐し、日常的に議事堂内を見回っている。イセットの担当者は「警備には人の力が欠かせないが、ロボットはマンパワーを補ってくれると思う」と話す。
議会事務局の担当者は「人手不足が叫ばれる中で、未来を感じさせる取り組みだと思う。効果や課題を検証し、県の総務部と相談しながら導入するかどうかを考えたい」と話していた。