皇學館大硬式野球部４年の中川聖也は卒業後、プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグＰｌｕｓの徳島インディゴソックスに進む。卓越したバットコントロールで三重県内学生野球の常勝チームで５番打者として活躍。同学年の４番で、ＮＰＢの西武入りを決めた村田怜音の背中を追って、11年連続でＮＰＢドラフト指名獲得中の「プロ養成のスペシャルチーム」で新しい一歩を踏み出す。
三重学生選抜に２年連続で選出。４年秋に三重県リーグの最優秀選手に選ばれるなど三重を代表する打者に成長した。それでも全国的にはまだまだ無名。「（他の入団予定者は）プロ落ちとかドラフト候補とか。最初から上の方でやれるとは思っていない。プレッシャーを感じることなく挑戦者の気持ちで行きたい」と殊勝に話す。
大学入学当時は指名打者での起用がほとんど。守備を強化して３年目から三塁手の定位置を獲得した。人間関係にも恵まれ、目の前の結果に左右されがちだった性格は「基本ポジティブ」なチームメートの影響で徐々に前向きに。卒業後も野球を続けていきたいと考えていた同期が多く、特に大学初のＮＰＢ選手になる村田に対しては「野球以外の部分もすごいまじめ。刺激を受けるというより、尊敬している」と賛辞を惜しまない。
野球を始めたのは名古屋市の小学校１年生から。甲子園を目指して甲子園出場経験校の菰野高校に進んだが「自分が子どもだった」３年夏はベンチ外で終えた。ただそこから奮起。見守り続けてくれた家族にも感謝し、母の日に、母親の目の前で３ランを放った３年春のリーグ優勝決定戦は大学４年間で最高の思い出になった。
昨年10月のドラフト会議当日は野球部の仲間とともに指名後の会見に臨む村田を見守り「カッコいいと思ったし、うらやましい気持ちもあった」。次は自分の番。これまで敬遠していた身体づくりにも本格的に力を入れるなど努力を重ねて「自分を知っている人をびっくりさせたい」と意気込んでいる。