三十三銀行は9日、同行本店で地方創生セミナーを開き、三重県内と愛知県内の大学3年生41人が参加した。
就職活動を控えた学生らに、地元経済を知ってもらい、地方創生の具体的取り組みを理解してもらう目的。
講師を務めた三十三総研の伊藤公昭副社長は冒頭、日本経済の現状について、各国の名目GDP(国内総生産)数値の推移などを挙げて解説した上で「地域資源を生かした商品やサービスを販売することで地域自ら稼ぐことができる。働く場が創出され、地域外から得た『カネ』を地域内に循環させることで地域が豊かになる」と強調した。
セミナーでは、県と愛知県について、主要ポジション▽人口動向と将来推計▽産業構造▽製造業の主要分野▽農業生産額と生産構造▽第一次産業の状況―などについて解説。さらに、同行と同総研の地方創生の取り組みについて、事例を挙げて解説した。
伊藤氏は最後に、働くことの意義について、サントリーグループと京セラの経営理念を紹介した上で「就職は新たな人生のスタートで、大学時の選択とは根本的に違う。社風を感じることが重要で、自分が得意なことや好きなこと、自分磨きができる会社で働いてほしい」と強調。
さらに、「『みつける』『みがく』『つながる』を担う、地方の担い手になってほしい。東京一極集中が進んでおり、そこで力を発揮するのも良いが、その力を生まれ育ったところや第2の故郷で使えないか」と呼びかけた。その上で「環境は整ってきた。拠点を地域に置きつつ、世界へ打って出る。時代の変化はめまぐるしく、価値観も変わる。活躍の場所はたくさんある」とまとめ、セミナーを終えた。