【伊勢】タツノオトシゴの飼育種数日本一の水族館「伊勢シーパラダイス」=三重県伊勢市二見町=はこのほど、タツノオトシゴの生態や現状を知ってもらうため、7月7日を「タツノオトシゴの日」として一般社団法人「日本記念日協会」に申請し、登録されたと発表した。今年の干支(えと)「辰(たつ)」の名前がついた生き物として注目される中、7月7日に向け、展示やイベントを通してタツノオトシゴの魅力を発信していく。
タツノオトシゴは見た目や生態がユニークな魚で、雄の腹部にある「育児のう」と呼ばれる袋に雌が卵を産み付け、雄が袋の中でふ化して稚魚になるまで育ててから出産する。一夫一妻の種が多く、安産や縁結び、夫婦円満などの縁起物として親しまれている。
同館は、最大で30センチを超えることもある大型のポットベリーシーホースや絶滅危惧種のクロウミウマなど11種、約150匹を飼育・展示するほか、国内で唯一、ポットベリーシーホースが指に巻き付いてくるふれあい体験を実施している。
生息環境の悪化や乱獲により、タツノオトシゴ類の数が減っていることから繁殖にも力を入れ、これまで7種の繁殖に成功。他の水族館と連携した取り組みも行っている。飼育員の安部瑞貴さん(30)によると、甲殻類のイサザアミを自ら捕りに行くなど餌にもこだわって育てているという。
今回はタツノオトシゴの日を制定することにより、現状や水族館の取り組みなどを発信し、理解を深めてもらおうと企画。泳ぐ姿が数字の7に似ていることから、七夕の日でもある7月7日に決めた。
今後はオンラインでのタツノオトシゴ講座、他の水族館へ同館が繁殖したタツノオトシゴ類を提供、ブログやSNS(交流サイト)での情報発信、タツノオトシゴの赤ちゃん展示などを行う予定。
安部さんは「この機会にタツノオトシゴに興味を持ってもらいたい。イベントも用意しているので参加してもらえれば」と話した。