三重労働局は4日、県内外で飲食店を展開する東洋軒(津市丸之内)などの3事業者が、雇用調整助成金を不正に受給したと発表した。不正受給の総額は約9828万円。3者とも不正受給を認めている。
同局によると、東洋軒は令和2年4月から同4年6月まで、複数人の労働者が休業したと装った虚偽の申請書類を作成して同局に提出し、9045万円の雇用調整助成金を不正に受給していた。
外部から情報提供が寄せられたことをきっかけに不正受給が発覚。同局は昨年12月19日付で同社への支給決定を取り消した。同社は同局の聞き取りに不正受給を認め、既に全額を返還した。
このほか、松阪市南虹が丘の「中村組総業」は、令和3年に約442万円を不正に受給。桑名市東方の建設業者「諸岡組」も2年から3年にかけて、約340万円を不正に受給していた。
中村組総業は架空の事業所を設け、労働者を雇用したとする虚偽の申請書類を提出したという。2事業者とも申請に不審な点があったことをきっかけに不正受給が発覚。全額を返還する意思を示している。
同局は昨年度以降、今回を含めて県内で51事業所の不正受給を確認。不正受給の総額は約8億8200万円に上る。同局は「今後も調査し、不正受給を確認した場合は事業所名を公表する」としている。