能登半島地震の発生を受け、三重県は4日、幹部らを集めた臨時庁議を開いた。県が支援する自治体が石川県輪島市に決まったことなどを確認。一見勝之知事は被災地が求める支援の内容を把握するよう指示した。
県によると、支援先を輪島市に特定したのは、支援に当たる自治体が特定の自治体を受け持つ「カウンターパート」(対口支援)の制度に基づく対応。総務省との協議を経て同市への支援が決まった。
県は避難所の運営などを支援する想定。輪島市には138の避難所が設置されている。県、いなべ市、伊勢市の職員ら計4人が、総括支援チームとして3日から現地で情報収集に当たっている。
2、3両日は県の防災ヘリコプターが出動し、輪島市内から金沢市内まで3人を搬送した。2日からは、災害派遣医療チーム「DMAT」の医師や看護師ら計50人が石川県に派遣されている。
物的支援では、県が広域防災拠点などに備蓄していた約11万回分の食料や約10万リットルの飲料水を石川県に配送した。日本水道協会の調整などに基づき、5市町の給水車5台が石川県に派遣されている。
また、県は中部9県と名古屋市で締結した災害時の応援協定で幹事を務める立場から、県職員2人を石川県に派遣した。情報連絡員(リエゾン)として、必要な物資や人材などの把握に当たっている。
この日の臨時庁議では、輪島市の被災状況を確認した。一見知事は被災地での情報収集や庁内での情報共有に努めるよう指示。職員が現地で宿泊できる施設がないことから、体調に留意するよう呼びかけた。
このほか、一見知事は中部9県と名古屋市のオンライン会議に出席し、連携して被災地への支援に当たることを確認。関西広域連合のオンライン会議にも出席し、県の支援状況などを報告した。
一見知事は記者団に「三重の誇りにかけて輪島市を支援する。避難所で一人の死者も出さない」と強調。現地派遣の職員から「物資が足りない。交通も非常に不便」との連絡を受けたことを明らかにした。