伊勢新聞

2024年1月4日(木)

▼衆院選は今年はあるのかどうか。3日付の本紙展望も「見定めが難しい」と、いささかサジを投げた感じ。岸田内閣のこれほどの低支持率では岸田文雄首相自身、どうにもなるまい

▼目を引くのは野党第一党を目指す日本維新の会が3、4区に擁立しようとしていることか。かつて県議、津市長を務めた松田直久氏が維新の会公認で比例当選したが、その1区を避けているから選挙は難しい

▼自民党が裏金問題で“逆風”とすれば、大阪を拠点とする維新の泣きどころは万博だろう。会場建設費が当初予定からほぼ倍増し、海外パビリオンの建設が遅れ、一部撤退が伝えられている

▼追い打ちをかけているのが赤字になった場合の負担問題だ。「なんぼや」というのが代表的大阪人気質とされるが、西村康稔経済産業相(当時)が国会で国の穴埋めを否定したのを受け、大阪府の吉村洋文知事が、万博は国の事業だと府市が負担しないことを宣言

▼関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)が「穴埋めに経済界が資金を出すことは困難」と追いかけた。これからという時に関係者がそろって赤字を想定して責任放棄の大合唱というのでは国民も嫌気がさすのは当然。共同通信の調査で6月に立憲民主党を大きく上回った政党支持率も11月には並ばれた

▼裏金問題で「与党の自壊が始まった」と、次期衆院選で政権交代も視野に入れるとした立憲の岡田克也幹事長だが、同党の支持率がさほど上がったわけではない。当分は気の抜けたビールを飲んでいる面持ちで見守るしかない。