【伊勢】伊勢市の三重県立明野高校の生徒らが、地域特産の「伊勢ひじき」を活用し、地元の食品会社などと協力して、ヒジキ入り小麦粉を開発した。県産の小麦粉にパウダー状にしたヒジキを配合。調理や菓子作りに生かせば、風味や栄養面がアップするだけでなく、見た目が黒い個性的な料理やスイーツが楽しめる。
取り組んだのは、生活教養科調理コース3年生の21人。ヒジキを、家庭や飲食店などで幅広く取り入れてもらおうと、海藻製造販売会社「辻丈蔵商店」(明和町)と雑穀を取り扱う「南勢糧穀」(伊勢市)の協力で開発を進めた。
生徒たちは、小麦粉に混ぜるヒジキパウダーの割合を変えながら実際に調理し、調理のしやすさ、ヒジキの風合いや色味のバランスなどを確認。さまざまなレシピで試作を繰り返し、小麦粉にヒジキを5%配合することにした。
完成した新商品は、「ひじきちゃんの告白」と命名。県産小麦粉「ニシノカオリ」にヒジキを配合した強力粉と、県産「あやひかり」を使った薄力粉の2種類がある。また、商品を活用した菓子や料理のレシピも生徒が考案。パッケージに付いたQRコードを読み取るとそのレシピが閲覧できる。
このほど、同校で新商品発表会が開かれた。生徒たちは、商品を使って作った黒いシュークリームやマドレーヌ、小籠包など、ユニークな見た目のスイーツや料理を披露。「ヒジキの配合を決めるのに苦労した。いろんな人に、いろんな調理に使ってほしい」とアピールした。
一袋400グラム入り500円(税別)。来年1月下旬から、地元スーパーなどで発売予定。