【津】三重県立伊賀白鳳高(伊賀市緑ケ丘西町)の工芸部員が、県立津高(津市新町)図書館の黒板本棚を製作した。木工品の製作を通じ地域と連携する同部だが、他校で使う製品を作るのは初めて。19日に部員らが津高を訪れ、こだわりの詰まった本棚2台を直接届けた。
津高図書館は本年度県の読書推進事業モデル校に選ばれており、館内リニューアルに充てる予算で側面などを黒板素材にして書評やイラストを書ける「黒板本棚」の製作を計画。伊賀市内の駅や市施設のベンチの製作などで知られる同部に依頼し、1―3年の部員10人が4カ月かけ完成した。
製品は幅約90センチ、高さ約130センチ、奥行き30センチ。枠芯合板を使い、側面、背板、3段の棚の前板部分に黒板塗料を吹き付け塗装。背板には黒板同様に磁石が付けられるよう鉄板を入れチョークや黒板消しを置く溝付きの桟もある。移動しやすいようキャスターを六個にするなど、細部に工夫がなされている。
引き渡しのセレモニーには同部1年で副部長の坂元龍弥さんと3年の山本裕暉さん、津高の図書委員が出席。坂元さんが詳細を説明し「津高になじんだ本棚になってくれれば」と述べた。
一年の図書委員、西川実杜さんは「ものすごく細かいところまで配慮されている。大切に使っていきたい」と謝辞。委員らは「めっちゃいい」と大喜びで、さっそく黒板にメッセージを描き、本を入れていた。
津高の辻成尚校長は「皆が本を楽しめるよう大いに活用し、これを機に伊賀白鳳高との交流が深まるといい」と述べた。