伊勢新聞

2023年12月9日(土)

▼今年の新語・流行語大賞に「アレ(A・R・E)」が選ばれて1週間以上経ったが、「選考基準が変」「もっとふさわしい言葉がある」など批判の声が収まらない。言われてみれば、「こちらの方ではないか」という言葉がある

▼例えば「増税メガネ」「公金チューチュー」「350億円日傘」「知らんけど」はトップ30にも入っていない。かろうじて「エッフェル姉さん」「新しい戦前」「ジャニーズ問題」「闇バイト」が入り、「蛙化現象」「首振りダンス」がトップ10入りしただけだ。「増税メガネなどが外されたのは明らかな忖度ではないか」と言われると妙に納得してしまう

▼しかし、もし「増税メガネ」「エッフェル姉さん」などが選ばれたら、受賞会場にご当人が来るはずもない。受賞コメントもなしだろう。この賞は『現代用語の基礎知識』のプロモーションイベント。目くじら立てるほどのことでもない

▼ただ、一昨年は「リアル二刀流/ショータイム」、昨年も「村神様」と野球続き。野球以外明るい話題がない世相を反映しているのだろう。来年はぜひ、他の分野から選んでほしい。