伊勢新聞

パラ陸上にかける思いを語る 保田選手が地元亀山で講演 三重

【パラ陸上にかける思いを語る保田さん=亀山市東御幸町の亀山商工会館で】

【亀山】亀山ライオンズクラブ(桜井章会長)は5日夜、三重県亀山市東御幸町の亀山商工会館に、パラ陸上競技選手の保田明日美さん(32)=同市菅内町=を招き、「パラスポーツと共生社会」と題した講演会を開いた。

講演会は、会員らに地元で頑張るアスリートを知ってもらい、クラブとして応援するのが目的。同クラブ例会後に開催した。

保田さんは、中学、高校とバスケットボールに打ち込んでいたが20代の頃、駅のホームから転落し、電車と接触して右足を失った。「突然、足を失い、悲しみと不安な毎日を過ごしていた」と当時の思いを語った。パラ陸上を始めるきっかけは六年前、パラ五輪に出場した選手に出会ったことで、自分も走ってみようという前向きな気持ちになったという。それからは、多くの人の支えで、陸上競技用義足を右足に装着し、まずはゆっくり走ることから始めた。

保田さんは「障害を負う前は、障害者に対して自分とは遠い存在だと思っていたが、いまは障害者である自分と向き合い、走ることが楽しい。トライアスロンにも挑戦します」と話した。

また、「当面の目標は来年6月、伊勢市で開催する『日本パラ陸上競技選手権大会』に出場し、パリのパラ五輪出場の資格を得ること」と語った。

昨年、東京で開催した陸上競技大会「NAGASEカップ」T63クラスで、陸上400メートル競技種目で世界記録保持者となった。

講演会には会員ら30人が参加。桜井会長はあいさつで「保田さんがパラ陸上にかける思いを聞き、皆で応援しましょう」と話した。