【鳥羽】三重県鳥羽市の中村欣一郎市長は28日の定例記者会見で、フランス人観光客をターゲットに市が制作し、3月から市観光協会のユーチューブチャンネルで公開していたプロモーション動画「Fantastique(ファンタスティック) Toba」が、「地域プロモーションアワード2023ふるさと動画大賞」で、審査委員賞の「谷中修吾賞」を受賞したと発表した。
同大賞は一般財団法人地域活性化センター(東京)が主催。動画による地域情報発信を支援するため、「地域プロモーションアワード」の一環として年に一度開催し、5回目。自治体などが制作・公開する全国各地の創意工夫に満ちた動画を募集、表彰している。本年度は全国から134点の応募があり、大賞や優秀賞、審査委員賞に計9点が選ばれた。市は動画の応募、受賞ともに初めて。
審査委員でBBT大学の谷中修吾教授には、ターゲットを絞り込んで価値を訴求したことや、視聴した人が現場へ自己投影感を持てるように設計したことが評価されたという。
動画は鳥羽の自然や歴史文化に興味を持つフランスの観光客をターゲットに、2月から市観光商工課が中心となり、同課に所属するフランス人の国際交流員、カゾ・ポーリンさん(34)とともに制作を進めた。
動画にはカゾさんが出演し、フランス語のナレーションも務めた。石鏡町や相差町、答志島などで撮影が行われ、海女文化をはじめとする鳥羽の地域資源や魅力に直接触れ、自然と向き合い、地域や資源、伝統を守り伝える人に出会っていく内容で、朝日や夕日に照らされた鳥羽の風光明媚(めいび)な景観や海女との対談、島での散策などを56秒にまとめた。
中村市長は「画像もすごくきれいで、短い動画だが鳥羽で見てほしいものが詰まっている」、会見に同席したカゾさんは「鳥羽の自然と社会を大切に思う気持ちにあふれた人たちと会って感動した。たくさんの人に動画を見てもらいたい」と話した。