福永和伸三重県教育長は27日の定例記者会見で、鈴鹿市のアパートで男児(11)が約3日間にわたって置き去りにされた事件を受け、子どもの異変に気付く取り組みを徹底するよう各学校に求める考えを示した。
県教委によると、市教委は事件発覚直後の問い合わせに「男児は2学期が始まった9月から一時保護されるまで、十分に登校している状況ではなかった。家庭訪問などで見守っていた」と報告したという。
県教委は児童虐待の早期把握を目的とした教員向けのリストを平成28年度に作成し、各学校に配布している。事件を受け、リストを十分に活用するよう、近く市町の教育委員会と県立学校に通知する方針。
福永教育長は「虐待などは学校が最も気付きやすい立場にある。しっかり(子どもの変化に)目を光らせてもらいたい。今回の対応を確認し、十分でなければしっかりとした対応を申し入れたい」と述べた。
また、児童相談所が男児に強く拒まれて一時保護ができていなかったことについては「詳細な状況は分からないが、疑問を感じる。本当に危険な状況なら、子どもの抵抗を理由に断念するのはどうか」と述べた。