【桑名】三重県鈴鹿市東磯山の彫刻家、横田千明さん(37)は21日、桑名市南寺町のギャラリー寺町で「乾漆彫刻展」を開き、乾漆の技法を採り入れた立体作品を展示した。26日まで。
乾漆は、型の上に漆で麻布を張り重ねて固めていく技法。横田さんは粘土で原型をつくり、石こうで型を取る。古来より伝わる伝統的な技法で、奈良・興福寺の阿修羅(あしゅらぞう)像などの仏像作りにも使われている。キンギョやカメ、唇をモチーフにした立体作品7点と、学生時代に手がけた銅版画も紹介している。
横田さんは、いなべ市出身。いなべ総合学園高校を経て名古屋芸術大学、同大大学院へと進み、大学院修了後は創作活動を続けてきた。3年前に結婚し、現在は子育てをしながら制作に励む。個展は毎年開いており、「作品を作り続けていくことで伝統の技法を残し、一人でも多くの人に伝え広めたい」と話した。23日と26日(午後からの予定)は在廊する。