伊勢新聞

南海トラフ想定、避難誘導手順を確認 鳥羽旅館組合が合同防災訓練

【消火器の取り扱い訓練に取り組む参加者ら=鳥羽市小浜町の鳥羽グランドホテルで(鳥羽旅館組合提供)】

【鳥羽】三重県鳥羽市小浜町の鳥羽グランドホテルでこのほど、南海トラフ地震による火災を想定した鳥羽旅館組合の合同避難防災訓練があった。組合に加盟する25の宿泊施設から134人が参加し、万が一に備えて避難誘導や初期消火の手順を確認した。

訓練は市消防本部の協力の下、毎年実施。今回は地震によって7階の客室から出火し、負傷者が出たとの想定で行われた。

火災報知器が鳴ると従業員が客室に向かい、消防への通報と初期消火にあたった。宿泊客役の参加者らは誘導に従って建物の外に避難。通報を受けて駆け付けた消防隊員らは重傷者役の人を救急車で搬送し、逃げ遅れた人をはしご車で救助した。消火器の取り扱い訓練や火災による煙の疑似体験、「誤嚥(ごえん)時の対処法」についての講話もあった。

同組合の迫間優子理事長(42)は「安心安全に宿泊してもらえるように毎年訓練しています。万が一の時にお客様が最も頼りにしているのは宿のスタッフだと思うので、訓練したことをしっかりと業務に生かしていただきたい」と話した。