伊勢新聞

日常使いの器など250点 津で陶芸家・林さん里帰り展

【作品を紹介する林さん=津市一志町高野の古民家備伊巣で】

【津】三重県津市出身の陶芸家、林秋実さん(69)=長野県伊那市=の年に1度の里帰り展が14日、津市一志町高野の古民家「備伊巣」で始まった。使い心地にこだわり、培窯の手法で制作した日常使いの器など約250点を展示・販売している。20日まで。

林さんは一志町波瀬出身。大学卒業後栃木県で益子焼の修業をし昭和60年に故郷に開窯した。17年前に伊那市高遠町に移住し、年1回里帰り展を開いている。

白泥に布目を付けたマグカップ、素焼きの破片を載せ青い釉を吹きつけた皿、わら灰の釉を使った鉢などが並ぶ。もみ殻でいぶした焼締めの酒器は、巻き付けた稲わらが味わい深い模様を作り出している。

里帰り展を心待ちにするファンは多く、初日は朝から多くの人でにぎわった。林さんは「手に取って何を盛り付けようかイメージしてもらえたら」と話した。