女子中学生にわいせつな行為をしたとして、三重県教委は14日、公立中学校の男性教諭を懲戒免職処分とした。また、乗用車で交通事故を起こして相手方にけがをさせたとして、多気中の女性教諭(55)と神戸小の女性講師(23)を、それぞれ減給10分の1(1月)の懲戒処分とした。
県教委によると、男性教諭は昨年度、女子中学生に対してわいせつな行為をした。生徒の家族が気付き、学校に連絡したことをきっかけに発覚。男性教諭は発覚直後から病気休暇などで出勤していない。
被害届の提出はなく、男性教諭は刑事事件での捜査や処分は受けていない。県教委は保護者の意向と被害者の保護を理由に、男性教諭の所属や事案の詳細、女子生徒との関係性などを明らかにしていない。
男性教諭は県教委の聞き取りに、わいせつ行為をしたと認めた。「いけないことだと分かっていたが、止められなかった。信頼を損ね、いろいろな方に迷惑をかけた。償えないことをした」と話している。
わいせつ行為での懲戒処分は本年度3件目。県教委は5月、生徒の体を触るなどした県立高の男性教諭=依願退職=を停職6月、女性に性的な発言をした稲部小の男性教諭を減給10分の1(1月)としていた。
福永和伸県教育長は定例記者会見で、教員のわいせつ行為について「なくならないことを非常に重く受け止めている。子どもたちを励ますべき教員が子どもを傷つけていることは痛恨の極み」と述べた。
教員向けの研修や各学校のコンプライアンスミーティング、わいせつ行為などに関する生徒へのアンケートを徹底すると説明。ハラスメント防止の動画を作成し、全教職員に視聴を義務付ける考えも示した。
また、男性教諭の勤務先や女子生徒との関係性などを明らかにしない理由について、福永教育長は「県教委には公表の責任があることを何度も保護者に伝えたが、配慮を強く望まれたため」と説明した。
このほか、女性教諭は昨年7月24日午後1時ごろ、松阪市内の市道で乗用車を運転中、対向車線にはみ出して乗用車と衝突。後部座席の女児が顎を骨折するなど、相手方の3人がけがをした。
女性講師は4月27日午後8時半ごろ、鈴鹿市内の県道で乗用車を運転中、赤信号の交差点に進入して乗用車と出合い頭に衝突。この乗用車を運転していた男性が頸椎捻挫など加療1カ月間のけがをした。
女性教諭と女性講師は運転免許停止処分に加え、自動車運転処罰法違反の過失運転致傷罪で罰金の略式命令を受けた。2人とも「考え事をしていて運転に集中できなかった」と話しているという。