2023年11月11日(土)

▼「経済連呼」の岸田政権の経済対策の中で「減税」と並んで「資産所得倍増プラン」の現実錯誤ぶりを指摘したい

▼内閣府のHPには「資産所得倍増元年」という文字が踊っているが、一体誰に向けたものなのか?日本人の個人金融資産は2千兆円を超え、その半分以上が預貯金。これを投資に振り向けようというのだが、では誰がそんな資産を持っているのか?

▼金融庁によれば、年齢別の金融資産は、70代以上で「非保有」が約3割いる反面、金融資産「1千万円以上」は4割以上もいる。つまり高齢者に偏っている。ただし、高齢者は「老後2千万円必要」という脅迫から預貯金を切り崩さない

▼では若年世代は?20代を見ると、「非保有」の割合はなんと3割を超え、「1千万円」以上はほとんどゼロ。資産は収入―支出でできるので、現在の低給料ではほぼ無理

▼本政策の目玉はNISAの非課税期間の無期限化だが、非課税というのは利益に対する課税免除に過ぎず、当然だが損失補てんはない

▼経済政策というなら、利益を生みそうな投資先を作るのが先決。そして何より「資産倍増」より「給料倍増」ではないか。