伊勢新聞

山商か四中工か、全国切符懸け11日決勝 全国高校サッカー三重大会

【(左から)四日市中央工の片岡空良主将(3年)、宇治山田商の光田向志主将(3年)】

サッカーの第102回全国高校選手権三重大会は、最終日の11日午後0時5分から鈴鹿市御薗町のスポーツの杜鈴鹿メイングラウンドで決勝が行われる。2014年以来2度目の三重大会優勝を目指す宇治山田商と、第98回大会以来35回目の全国高校選手権出場を目指す四日市中央工が対戦し、勝者が12月28日に東京・国立競技場で開幕する全国大会に出場する。宇治山田商は2年連続、四日市中央工は4年ぶりの決勝進出。決勝での対戦は9年ぶりだ。

 宇治山田商は準々決勝で今年のインターハイ出場の海星を延長戦の末3―1、準決勝で昨年の決勝で敗れた津工を1―0で退けるなど接戦をものにしながら2年連続の決勝進出を決めた。

「シビアな試合が多く徐々に力を積み上げてきた感覚」と今大会を振り返る古西祥監督。「2年連続の決勝進出は経験しているのはこちら。それを無駄にしないように、昨年感じた課題、成果をしっかり出して、勝ち上がりたい」と話す。

自陣から丁寧にボールをつなぎ、主将の重責も担う光田向志、準々決勝、準決勝で先制ゴールを奪った濱田晄弥の両FWらの活躍で得点を狙う。前線の選手は早くから公式戦に出てきた選手が多くその経験も生かしたい。

スピードに乗ったドリブル、相手の背後に抜ける動き出しで旧チームから得点源の光田は「ボールを落ち着かせたり、止めて蹴る部分も向上した」。「去年の決勝は何もできず一番悔しい思いをした。今年は自分が引っ張るっていう気持ちで行く」と悲願の全国切符獲得に燃える。

 全国高校選手権出場は過去34回。そのうち優勝の経験もある四日市中央工が4年ぶりの選手権出場に挑む。帝京(東京)と両校優勝した1992年度の選手権メンバーの伊室陽介監督は「簡単に県内で勝てないことは分かっている。ただ四中工に来てくれる選手はサッカーに懸けており、その思いをしっかり受け止める」と話し、チーム一丸の王座奪還に燃える。

東海プリンスリーグ参戦の海星を除く県内トップ校が集まった三重県リーグ1部で8日現在、14勝1敗の成績で単独首位に立つ。今季県リーグで0―1で敗れて唯一黒星を喫した三重を準決勝で3―1で退け4年ぶりの決勝進出を決めた。

組織力な攻撃と守備、球際の強さは健在。その一方で得点王争いで暫定首位のMF平野颯汰らテクニックのある選手も多く、指揮官も「良さをだせば大量得点につながる」。豊富な運動量が武器の攻守の要、MF片岡空良主将は「強い四中工を取り戻して絶対全国に行く」と意気込んでいる。