【伊勢】英マンチェスターで開催された自転車競技の「UCIマスターズトラック世界選手権」男子タイムトライアル40―44部門で、松阪競輪所属の競輪選手皿屋豊さん(40)=三重県伊勢市小俣町=が優勝し、6日、地元の伊勢市役所で鈴木健一市長に報告した。
皿屋さんは元同市職員。在職中の20代半ば、ダイエット目的で自転車通勤を始めたことをきっかけに自転車競技にはまった。平成27年の国体で入賞したことを機に、「一度きりの人生、好きなことに挑戦したい」と競輪選手を目指し、翌28年に退職。1年間伊豆市の競輪学校で鍛錬し、29年に34歳でプロデビューした。
世界選手権は9―10月にかけて開催され、皿屋さんは、1周250メートルのトラックを3周してタイムを競う「タイムトライアル」40―44歳部門に初出場。各国から元五輪選手らも出場する中、初優勝を果たした。トーナメント方式で1対1で着順を競う「スプリント」でも準優勝を手にした。本業の競輪とはコースも使用する自転車も異なるため、約半年間、通常の活動と並行して練習し、臨んだという。
かつて勤めた市役所で、皿屋さんが鈴木市長に報告。「以前から挑戦したかった大会で、努力が報われうれしい。いい報告ができよかった。今後は本業の競輪で、G1レースで活躍できるよう精進したい」と話した。