【津】三重県立久居農林高(津市久居東鷹跡町)動物コース2年の髙橋幹太さん(16)が、先月25日に熊本県菊池市で開催された「第74回日本学校農業クラブ全国大会」家畜審査競技会乳用牛の部で同校初の最優秀賞を受賞した。肉用牛の部と合わせた中で最高賞に当たる農林水産大臣賞とのダブル受賞に輝いた。
同大会は日本学校農業クラブ連盟などが主催し、農業を学ぶ全国の高校生がプロジェクト発表や競技会で知識や技量を競う場で「農業高校の甲子園」とも呼ばれる。
三重県内には乳用牛を飼う公立高はなく髙橋さんに家畜審査の経験はなかったが、県畜産研究所での事前勉強会を経て県予選に出場し乳用牛の部で優勝、全国への切符をつかんだ。
全国大会の家畜審査は2部門それぞれに都道府県代表が出場。乳用牛の部は約40人が成牛4頭を乳器や足など3部位と外貌(全体)を順位付けし、幼牛4頭の外貌の順位と合わせて正確さを競った。
髙橋さんは「乳器の張りや乳頭の形状、立ち姿勢などで判断した。牛が歩き回り見る角度で違うので難しかった」と振り返る。最優秀の結果に「びっくりしたけどうれしかった。自信になった」と喜び、自身を「観察能力があったのかな」と控えめに分析。将来は「まだ考えていないけど、動物を飼育する仕事に就けたら」と話す。
他県では乳用牛を飼育し日常的に接する生徒が多く出場した中での全国1位。同行した動物コースの奥田毅教諭(58)は受賞の理由を「一言で言うと感性。先入観を持たず研究所で教わったことを素直に聞き、冷静に判断できたからでは」と推察し「今後もいろいろなことにチャレンジしてほしい」と期待した。