年末に東大阪市花園ラグビー場で開幕する第103回全国高校ラグビー大会の三重県予選は5日、鈴鹿市御薗町のスポーツの杜鈴鹿メイングラウンドで決勝が行われ、12年連続14回目の優勝に挑む朝明と、初優勝を目指す四日市工が7年連続で対戦する。15人制の県大会決勝で両校が対戦するのは今年3回目で、2月の県高校新人大会決勝(33―8)、5月の県高校総体決勝(50―7)はいずれも朝明が制した。今年最後の対戦の結果が注目される。試合開始予定時刻は午後1時15分。
■朝明
FWとBK一体の攻撃で県史上最多の12連覇に挑む。旧チームからメンバーが大きく入れ替わるなか地道な身体作りと走り込みでパワーと持久力を鍛えてきた成果を出したい。
チームの中心は冷静に試合を見られるSH山川雄摩、ランと判断力が武器のSO浅場博登。いずれも1年から試合経験を積んできた。コンタクトプレーに強さを発揮するFL宮沢啓介もキーマン。
新チーム発足当初は県外遠征などでなかなか勝てず、今年4月には7人制の県大会決勝で初めて四日市工に敗れる屈辱もあった。夏場の強化合宿など通じて全国の強豪とも手応えのある試合運びができるようになった。
主将の山川は「最初は選手間で熱量の差があったが練習や話し合いを通じて一体感が出てきた」とチームワークにも手応え。チームメートを信頼していると話す浅場は「三重のトップはやっぱり朝明と思ってもらえるような試合を見せたい」と意気込んでいる。
■四日市工
東海地区代表として出場した第100回記念大会以来2度目の花園切符を目指している。バックス陣の速さと上手さを生かした攻撃が機能するかが勝敗のカギで、渡邉翔監督は「得点する力はあるんじゃないかと思う。点の取り合いに持ち込めたら」と話している。
今年4月の7人制の県大会で創部以来初めて優勝を果たし7月、菅平で開催の全国大会へ。花園優勝経験校の東福岡に完敗するなど全国強豪の暑い壁に跳ね返されたが、冷静な判断と正確なキックで最終ラインを統率するFB宮崎奏斗は「日本一を狙うチームを体感できたのは良かった」と前向きだ。
FW陣も体格で勝る相手と組み合った夏の経験を生かしたい。朝明に完敗した県高校総体以降、強度の高い練習にこだわってきたというHOの野本諒主将は「守備面はFWの頑張りどころ。全員が(試合の)60分間、身体を張り続けてDFできたら、チャンスはあると思います」。