▼戦後間もなく、新しい国境を反映した地図を壁にピンでとめ、スターリンは「クリール諸島は我が国のものになった。サハリンは全部が手中にある。どうだ、素晴らしい!」と言った
▼ジェフリー・ロバーツの「スターリンの図書室」(白水社)が紹介している。「ウクライナ人も一緒、モルダヴィア人も一緒だ」とも。「スターリンはこれらの領土を絶対に渡すまいと心に決めていた。ソヴィエトの辺境地帯の安定は民族政策の観点からも至上課題だった」と解説する
▼「熱心な読書家であり、自己を向上させる情熱の持ち主でもあった」というスターリンの読んだ本を通じて同書は生涯を描く
▼本に書き込みが残り、軽蔑は「ハハ」「でたらめ」、賛嘆は「そうだ、そうだ」「同感」。「ふむ、そうかな?」や「本当か?」「間違いないか?」もある
▼ロシア革命前に外交について「言葉は言葉であり、行動は全く異なるものである。怪しい行動を隠すために、麗しい言葉があるのだ」(スターリン全集)と語っている
▼日ソ中立条約をほごにして対日参戦した。言動が一致していると言えなくもない。悪い方向で。