伊勢新聞

2023年11月4日(土)

▼米大統領選まであと1年となった。現時点で目ぼしい新星の登場はなく、バイデン現大統領(民主)とトランプ前大統領(共和)の「高齢対決」になる可能性が高い。そこで悩ましいのが、どちらにしても米国の分断と世界の混迷は深まること。そしてもしトランプなら、日本にとっては「悪夢」ということだ

▼自由・人権・民主主義などどうでもいい「アメリカ第一主義」、ディール優先の「棍棒外交」だから、尖閣も台湾も見捨てられる可能性がある。ウクライナ支援の打切りは確実で、イスラエル支援もどうなるかわからない。なにしろ彼の敵は「ディープステート」だから、国防省、国務省などの意向は無視だ

▼日本人が理解不能なのが、これまで4つの事件で起訴され、合計91の罪に問われているのに支持率が落ちないこと。共和党2番手のデサンティスを40ポイントも離している。よって復帰すれば、大統領が自分自身に恩赦を出すという前代未聞なことが起こる

▼最大の悪夢はパリ協定からの再離脱。地球温暖化はフェイクで「中国の陰謀」と言うのだから、温暖化による大災害が起きても知らん顔だろう。