多気中、相可高、国分中部がコラボ 前川次郎柿活用し菓子「柿シベリア」開発 

【柿シベリアを持つ多気中の生徒ら(多気中提供)】

三重県多気町相可の多気中学校(村田功校長)は県立相可高校、地元ゆかりの国分中部(本社・愛知県名古屋市)と共同で、傷が付いており、出荷できない同町発祥の前川次郎柿を活用した菓子「柿シベリア」を開発した。

柿シベリアは、傷柿をペースト状にしてカステラ生地の間に挟んだもの。レシピは相可高校の食物調理科の生徒が考案。多気中の生徒は、パッケージのデザインを考えた。

【生徒が描いた柿の木のイラストがデザインされた柿シベリア(多気中提供)】

先月27日から同町五桂の五桂池ふるさと村のマルシェグランマで販売している。一個税込み190円。

多気中は総合的な学習の一環で、令和3年から前川次郎柿の収穫体験を行っている。当時の生徒が出荷できない傷柿が多くあるという問題を知り、農家の手助けができないかとの思いで傷柿の活用方法を模索。

ただ、商品化に向け発表会を開くなどしたが、なかなか成功までたどり着けずにいた。そこに地元ゆかりの国分中部が「何とか中学生の力になれないか」と手を差し延べ、話し合いを重ねながら、商品化に向け取り組んだ。地元企業や町の協力もあり商品化にこぎ着け、2年越しに生徒の思いが叶った。

商品化への取り組みについて、多気中の冨田真作教諭(46)は「生徒は、農家さんに魅力や大変さについて体験を通じ教えてもらい大変感謝していた。やさしく接してくれたこともあり、農家が抱える課題を解決していけたらという気持ちが強くなっていった」と説明。

その上で「傷柿の商品ができてとても喜んでいる。地元を思う気持ちや、商品化されるまで多くの人々が関わったことが知れるきっかけになったのではないか。地域の活性化、地域産業を支える一助になればうれしい」と話した。