ウツボのあられ共同開発 皇學館大生ら地元企業などと 三重

【ウツボを活用したあられ菓子「うつぼびじん」を紹介する学生ら=伊勢市の皇學館大学で】

【伊勢】三重県伊勢市の皇學館大学の学生たちが、南伊勢町で水揚げされたウツボを使い、地元の企業と共同であられ菓子「うつぼびじん」を作った。

取り組んだのは、現代日本社会学部3年生の9人。企業や行政と連携し地域課題の解決に向け取り組む同大の「CLL活動」の一環として、海産物の加工販売を手がける南伊勢町の「山藤」、津市の「野田米菓」と共同開発した。

タコの天敵とされ「海のギャング」とも呼ばれるウツボ。南伊勢町で食材として漁獲されるが、骨が多いなど下処理に手間がかかることなどから一般にはあまり流通せず、多くは廃棄されるという。そこで、地産地消やSDGs(持続可能な開発目標)の観点から、ウツボを活用した商品を開発することになった。

昨年12月から、学生らはグループに分かれて会議を重ね、唐揚げやふりかけにする案もあったが、あられに決定。下処理したウツボを粉砕してあられの生地に練り込むことにした。試作を繰り返し、しょうゆ味や黒こしょう味、南伊勢町産のアオサも使ったアオサ醤油(しょうゆ)味など5種類を考案。ウツボに含まれる成分で、肌にいいとされるコラーゲンに注目し商品名は「うつぼびじん」とした。

このほど同大の大学祭で、お披露目販売を実施したところ、評判は上々。今後、地域イベントなどで販売を計画している。

学生のリーダー辻樹羅さん(21)さんは「ウツボというと抵抗があるかもしれないが、クセもなくおいしいあられ。若い人から年配の方まで幅広く『刺さる』商品。コラーゲンが多い食材なので女性に食べてほしい」とアピールした。