伊勢新聞

「海のギャング」おいしく提供 鳥羽国際ホテル、ウツボ使ったメニュー 三重

【ウツボを使った2種類のハンバーガー=鳥羽市の鳥羽国際ホテルで】

【鳥羽】三重県鳥羽市の鳥羽国際ホテルにこのほど、どう猛で鋭い歯を持ち「海のギャング」と呼ばれるウツボを使ったハンバーガーが登場し、人気を集めている。

同ホテルによると、ウツボは気候変動や海流の影響により志摩近海で個体数が増加。伊勢志摩特産の伊勢エビなどを捕食するため、駆除対象の食材として漁獲はされるがあまり利用されていないという。今回は環境問題解決に向けた取り組みの一環として、厄介者のウツボを使ったメニューの開発に取り組んだ。

ウツボは鶏肉に似た肉厚の身の歯応えが特徴。味は淡泊でクセが無く、さまざまな味付けや調理法に適していて、皮下のゼラチン質にはコラーゲンがたっぷり含まれている。

開発にあたった山﨑俊和総料理長らは、手軽に食べられるハンバーガーを考案し、試作を重ねた。複雑に入り組んだ小骨を取り除くのに苦労したという。

完成したハンバーガーは2種類の味わいが堪能できる(1980円)。ウツボのすり身を揚げ、チーズを載せて焼き上げたハンバーガーは、パティのふわふわと弾力のある食感が特徴で、大葉がアクセントのタルタルソースとの相性も抜群。もう一種はベーコンにトマト、切り身にして揚げたウツボを重ね、カリカリの皮とプリプリの身の味わいが楽しめる。

【さまざまな調理法でウツボのおいしさを引き出した「うつぼの寿司ケーキてこね風」(鳥羽国際ホテル提供)】

ほかにも、特製のたれでふっくら香ばしく焼き上げたかば焼き、唐揚げ、刺し身にして漬けにするなど、さまざまな調理法でウツボのおいしさを引き出した「うつぼの寿司(すし)ケーキてこね風」(8800円、3日前までに要予約)や、ウツボ料理を取り入れたフレンチコース(1万3200円)もある。

味わった客からは「見た目からは想像できないおいしさ」と好評。山﨑総料理長は「ぜひこの機会に鳥羽湾を眺めながら、滅多に食することのないウツボをご堪能ください」と話した。

問い合わせは同ホテル=電話0599(26)4121=へ。