伊勢新聞

雲出川利水の歴史に触れる 津・一志町語り部の会、高岡地区巡るイベント 三重

【高岡山山頂から雲出川を眺める参加者=津市一志町で】

【津】三重県津市一志町のボランティアガイド団体「一志町歴史語り部の会」(会員13人)は24日、同町高岡地区を巡る歴史ウオーク「高岡山周辺の利水の歴史を訪ねる」を開いた。近郊から19人が参加し、ガイドの案内で高岡山や高野井頭首工などから雲出川を眺め、同町東部の水田を潤してきた利水の歴史の一端に触れた。

地域の魅力を発信する催しで23回目。ウオークに先立ち同会制作の紙芝居「高野用水」が披露され、江戸時代相次ぐ干ばつに雲出川から水を引く新たな用水路を8年の難工事の末に完成させた歴史を紹介した。

参加者は2班に分かれて海抜約80メートルの高岡山に登り、頂上から雄大な雲出川や大井地区、矢頭山を眺めた。ガイドの池山孝一さん(79)は「先人がせきを設け水を引き入れたおかげで今も農業が盛んで一志米のブランドがある」と述べた。

その後は高野井頭首工、高野浄水場へと歩き、高野井土地改良区や中勢水道事務所の担当者からそれぞれの説明を受けた。

白山町から参加した男性(80)は「説明を聞き現地を見ると『身近なところに宝がある』と感じる」と感想を話した。