▼自転車通学する55・2%の三重県立高校生のうち、ヘルメット着用率が4・6%だったというので気にかけて見ているが、この低率は年齢を問わず、自転車利用者全体に当てはまるようだ。着用者が少なく、傾向や特徴を見つけるのは難しかった
▼調査したのは県教委だが、通学時のヘルメット着用は以前から呼びかけていた。高校の自転車置き場を下校時にたまたま通りがかったことがある。男子はほとんど着用していたが、女子は比較的少ない。髪の長い女の子、というと流行歌だが、ウエーブなどがかかりおしゃれに気を配っていそうな女子生徒ほど、ヘルメットを前のかごに入れたまま走り出していた
▼この1週間ほどの路上観察でも、髪をなびかせて走る若い女性にヘルメット着用者は1人も見かけなかった。公共交通機関との併用通学が多く「持ち運びなどに課題がある」というのが福永和伸県教育長の分析だが、丸刈りが当たり前だった高校野球部も今は長髪の時代という。ヘルメットの構造、デザインにも課題があるのではないか
▼県の交通マナーの悪さの例に横断歩道前の一時停止があった。民間の調べで全国最低レベル。発表されると県警も調査し、結果が裏づけられて、しばらく報道をはじめ各方面で取り上げられたが、翌年から急速に改善され、今は一時停止しない車はほとんど見かけない。長年の悪弊でもあったが、啓発、呼びかけの工夫で効果があることも実証された形だ
▼議会から校則としての検討も問われ、福永教育長は慎重姿勢を示したが、代案には触れなかった。放置していいはずはない。