トヨタ自動車と三重大学、三重中学・高校などが連携した環境保全イベント「トヨタソーシャルフェス」(伊勢新聞社共催)が21日、希少生物・植物の生息する松阪市の松名瀬海岸・干潟であり、干潟の生物観察や海岸清掃に励んだ。地域住民や企業、学生、自治体などから約160人が参加した。
同フェスは、地域に環境保全意識の輪を広げようと、平成24年から全国47都道府県で行っている一般参加型のイベント。
今回は、ポイ捨てや漂着ごみで水環境が悪化し豊かな生態系が脅かされている同海岸・干潟を次世代に残すため、「伊勢湾を代表する同干潟をきれいにしよう!」をテーマに開催した。
主催者を代表してあいさつした朴恵淑三重大学客員教授は「松名瀬干潟は三つに分類される干潟がすべてそろう貴重な、伊勢湾最大の干潟。三重のトヨタソーシャルフェスは、貴重な松名瀬干潟を、10年近く産学官民、老若男女が、海岸清掃のみならず生物多様性について学びながら保全を行っている誇れるモデル」と紹介。
「この活動をさらに発展させ、調和のとれた、発展したまちづくりのモデルとして世界に発信するため、(同干潟の)県内初のラムサール条約への登録を目指していきたい」と呼びかけた。
参加者は水色の上着を着用し、海岸に落ちているペットボトルやプラスチックなどのごみを拾い集めた。
また、三重中学・高校の学生が講師となり、貝の水質浄化作用について参加者に説明したり、干潟に生息するハマガニやシャコといった生物や海浜植物の観察もした。