三重県議会は20日の本会議で、繁華街などでの客引きに「厳しい罰則」を科すことを定めた「客引き防止条例」(仮称)を制定するよう県当局に求める請願を45対1の賛成多数で採択した。
請願は「既存の法令では悪質な客引きを十分に取り締まれない」と指摘。「安全安心な繁華街の印象を破壊する悪質な客引きが見過ごされているのは非常に深刻な問題」とし、条例の制定を求めた。
県内でバーやスナック、居酒屋などを営む事業者でつくる「県社交飲食業生活衛生同業組合」が先月19日に提出していた。県内では、四日市市が平成27年に客引きを禁止する条例を制定した。
一方、県当局は「執拗(しつよう)な客引きは迷惑防止条例で規制し、罰則も科している。地域の実情に合わせて市町に制定してもらうものと考えている」などとし、条例の制定には消極的な姿勢を示している。
請願には、稲森稔尚議員(草の根運動いが、3期、伊賀市選出)が反対。稲森議員は討論で「客引きはそれほど多くはないと、県当局から聞いた。制定は市町で丁寧に議論されるべき」と主張した。
中森博文議長は本会議後の取材に対し、今のところ議員らに条例案を提出する動きはないと説明。請願の採択を受けた対応について「県や議員が検討することになるのではと思う」と語った。