2023年東海地区大学野球秋季選手権が21、22の両日、静岡・浜松市営球場で開かれる。三重、岐阜、静岡の各県リーグ代表校が優勝と、神宮大会代表決定戦を兼ねる東海地区・愛知・北陸三連盟王座(28日開幕・石川県)の出場を目指してトーナメント戦に挑む。本県代表の皇學館大は21日午前10時開始予定の1回戦で静岡県リーグ1位の日大国際関係学部と初戦を戦う。今年秋の三重県リーグで2019年秋以来となる2敗目を喫し、後がない状況から3番井田翔斗(4年・津商)、4番村田怜音(4年・相可)、5番中川聖也(4年・菰野)の中軸の活躍などで10季連続12回目のリーグ優勝につなげた。悲願の神宮切符につながる東海大会も、4年生クリーンナップを軸に、まずは2年連続の秋の東海の王座を目指して一戦必勝を誓う。
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村田と井田は大学1年秋からスタメン入り。このうち身長190センチ超の恵まれた体格から放たれる長打を武器に2年秋から4番の座を守る村田は、今季三重県リーグで優勝を争った四日市大との試合で逆転場外弾を放つなど自慢の強打で幾度かチームを救った。追い込まれてからの粘りも生まれ、この秋、春に続く5割超えの5割1分4厘の高打率を記録。中川が「しっかりして野球以外も頼りがいがある」と話すなど私生活面でも仲間の良き手本だ。
主砲の村田が「簡単にストライクを見逃すんですけど、簡単に厳しい球を打つ。ぼくからしたら最高の3番」とたたえる井田。相手のレベルが上がるほど結果が出せる精神面の強さも魅力で、勝負どころで特に強さを発揮する。指の負傷で入学後初のスタメン落ちを経験したこの秋の三重県リーグだが、スタメン復帰から2試合目の四日市大との優勝決定戦で3打点をマーク。通算16打点で2年秋以来のリーグ打点王に輝いた。
持ち味のミート力で2年秋以降スタメン定着、3年春から5番がほぼ定位置となった中川について、井田は「なんでもできる選手。後ろにいるから自分も思い切って行ける」。修正力もあり「今までのリーグで一番苦しんだ」4年秋の打撃も尻上がりに向上。三塁手として守備でも活躍し、優勝決定戦の四日市大戦で優勝を決めた併殺を奪うなど攻守の健闘が評価されリーグ最優秀選手賞を受賞した。
東海大会は負けたら終わりのトーナメント方式。卒業後も野球を続けていく予定だが「このメンバーで少しでも長く試合をしたい」(井田)という思いで一致している。「1つでも多く勝ちたいんで、チームのために打ちたい」と意気込む中川。今年のドラフト候補に名を連ねている村田も「1球甘い球を見逃したりファウルにしたら後がないくらい、シビアな戦いになる。1球の失投を仕留めるくらいの集中力を持って戦う」と話し、気持ちを高めている。