NTTビジネスソリューションズ(大阪市)の元派遣社員が顧客情報を流出させた問題で、県国民健康保険団体連合会は18日、国保加入者のうち約3万人の個人情報が流出したと発表した。また、県も約2400件の個人情報が流出した可能性があると発表。いずれも流出による被害は確認されていない。
県国保連によると、流出した個人情報は、四日市市や鈴鹿市などの16市町に住む国保加入者の氏名、性別、生年月日、住所、電話番号。平成28年3月から同31年3月までの間に流出したという。
これらの情報は、県国保連が保険料の催告などを受託したNTT西日本の子会社に提供していた。県国保連は今月16日に同社から連絡を受けて流出を把握。個人情報が流出した加入者は特定できていない。
植村郁矢事務局長は記者会見で「個人情報を持ち出したのは相手方の従業員ではあるが、市町から受託した業務を委託した立場として慎重に対応していく。情報流出を防ぐ方法も検討したい」と述べた。
県が発表した流出の可能性がある情報は、県内で店舗や事務所、工場などの建物を所有する事業者の名称や住所、電話番号。従業員の氏名やメールアドレスなどが含まれていた可能性もあるという。
県はPCB(ポリ塩化ビフェニール)を含む安定器の保有状況を調べる業務を受託したゼンリンに個人情報を提供。ゼンリンはNTT西日本の子会社に業務を再委託した際、これらの情報を提供していた。
松本剛廃棄物対策課長は記者会見で「(情報流出の可能性があることを)遺憾に思う。同じ個人情報を扱う立場として情報管理の重要性を認識した」と説明。流出した情報の詳細な把握に努める考えを示した。