【度会郡】15日午前10時55分ごろ、三重県南伊勢町道方の海中で水没した乗用車が見つかり、車内から小学生の子ども4人と父親の親子5人が発見され、全員の死亡が確認された。5人に目立った外傷はなく、伊勢署は、運転操作を誤って海に転落した可能性があるとみて、転落した原因や死因を調べている。
同署によると、亡くなったのは伊勢市朝熊町、自営業羽根正樹さん(37)と、小学6年の長男聖夏さん(12)、小学5年の次男怜皇さん(10)、小学3年の三男蘭琉さん(9つ)、小学1年の長女芽杏さん(7つ)の5人。
13日に正樹さんの妻から「11日早朝に出かけた夫と子どもが帰宅しない」と署に届け出があり、妻の話から親子が釣りに出かけた可能性があるとみて、警察が付近の海岸を捜索していた。
5人が乗った車両は、岸壁から15メートルほど離れた水深約5メートルの海底に、上下逆さまの状態で発見された。車内からは正樹さんの財布やスマートフォンのほか、釣り道具やクーラーボックスなどが見つかった。
同署は17日以降に司法解剖を実施し、詳しい死因を調べる方針。現場付近の岸壁は街灯や転落防止の車止めがないことなどから、正樹さんが運転操作を誤って海に転落した可能性があるとみている。
現場付近の住人などによると、岸壁には土日を中心に多くの釣り客が訪れるほか、養殖用イカダなどの荷揚げにも使用されているという。
4人が通う小学校によると、11日に正樹さんの妻から「授業を欠席する」との連絡があり、12日と13日にも連絡をとっていた。担当者は「明るく元気いっぱいで、運動が大好きな子どもたち。言葉に表せない悲しみがある」と話した。
羽根さん親子の近所に住む男性(72)は「10日に子どもたちと会ったばかりで、まさかという気持ち。仲の良い家族で、イカなどの釣りによく行っていた」と話した。