温室効果ガス削減率で三つ星獲得 南伊勢町 土実樹農園の温州ミカン 東海3県で初

【齋藤地方参事官(右)から三つ星ラベルを受け取る溝口社長=南伊勢町五ケ所浦の土実樹農園直売所で】

【度会郡】農林水産省が温室効果ガス削減の取り組みを強化して栽培された農産物に、削減率に応じて3段階の星を付け、販売時にラベルで見える化する実証事業で、三重県南伊勢町五ケ所浦の「土実樹(つみき)農園」(溝口安幸社長)が栽培する温州ミカンが最高ランクの三つ星を獲得した。東海3県では初めて。

実証事業は昨年度から始まり、コメやトマト、キュウリ、ミカンなど23品目が対象。肥料や燃料など生産者の栽培データを基に、農水省の算定シートを用いて削減率を計算し、通常の栽培と比較して一つ星は5%以上、二つ星は10%以上、三つ星は20%以上の削減を達成したことを示していて、削減効果を消費者に分かりやすく伝えるため、農産物に星のマークの入ったラベルを貼り、販売している。

同農園は、農水省東海農政局の呼びかけで同事業に参加。地元で生産される堆肥を使った土づくりによる化学肥料の使用削減、栽培期間中の農薬使用を最小限にするなど、温室効果ガスを47%削減したという。

同農園の直売所に東海農政局三重県拠点の齋藤繁雄地方参事官らが訪れ、溝口社長(69)に三つ星ラベルを手渡した。

齋藤地方参事官は「実証事業をきっかけに消費者が環境に関心を持ち、生産者の収益につながることを期待している」、溝口社長は「自分たちが自然に優しい農業をやる中で三つ星をいただいてすごくうれしい。今後もしっかりと取り組んでいきたい」と話した。