伊勢新聞

ヘルメット着用率4・6% 自転車通学の県立高校生 県議会代表質問

【左から田中祐治議員、舟橋裕幸議員】

三重県議会は16日、舟橋裕幸(新政みえ、8期、津市選出)、田中祐治(自民党、3期、松阪市)の両議員による代表質問があった。福永和伸教育長は、自転車で通学している県立高校生のヘルメット着用率が4・6%にとどまったとの調査結果を示した。多くの生徒が公共交通機関と自転車を併用していることから「持ち運びなどに課題がある」と説明。ヘルメットの着用を全校で校則に盛り込むことには慎重な姿勢を示した。田中議員への答弁。

国体、次回県開催時期の明言を

舟橋 裕幸議員(新政みえ)
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて県内開催を中止した国民体育大会(国体)について、次回の開催時期を明確に答えるよう要請。一見知事は「早期に開催したい」としつつ、具体的な時期の明言は避けた。

【新型コロナ】
舟橋議員 今こそコロナ対策を総括しなければならない。禍根を残した施策や有効だった施策は。給付金や助成金などで不正が発覚しているが、適正に執行されていたかどうかのチェックは。感染症に平時から対策を講じるべき。

知事 感染防止と社会経済活動の両立に悩みながら対策を進めてきた。大きな禍根を残した施策はなかったが、第5波で入院しなければならなかった自宅療養者が195人いた。補助金などの過大請求に違法なものはないが、誤解に基づくものはあった。

【国体】
舟橋議員 今定例月会議の一般質問では3人が国体について尋ね、知事は「2巡目を開けなかった県だと言われないようにしたい」と答弁して期待が膨らんだが、その後は明確な答弁がない。最終判断は知事。次期国体の開催時期は。

知事 子や孫の世代が2巡目を開催しなかったというそしりを受けることはやめたいが、開催には多大な財政負担や人的な負担が必要。「私がやります」とは簡単に言えない。国や他県との調整も必要。私としては国体を早期に開催したいと思っている。

製材事業誘致計画尋ねる

田中 祐治議員(自民党)
三田火力発電所跡地(尾鷲市)に大規模な製材事業を誘致する計画への考えを尋ねた。中野農林水産部長は、県内の年間生産量に匹敵する原木が必要になると説明し、担い手の確保などを図る考えを示した。

【製材】
田中議員 三田火力発電所跡地に大規模な製材事業を誘致する計画では、年間で30万立方メートルの原木を調達する必要がある。誘致が実現すれば県産材の需要拡大や林業の成長産業化が期待されるが、原木の安定供給も必要。県の考えは。

中野農林水産部長 実現すれば効果は大きいが、県の年間生産量と同程度の原木が必要。原木の生産が増えなければ、既存業者との競合が生じる。原木の安定供給に向けた林業の大きな変革が必要。皆伐や再造林を進め、担い手の確保や基盤整備も講じたい。

【ヘルメット】
田中議員 改正道交法の施行により、4月から自転車運転中のヘルメット着用が努力義務化されたが、高校生の着用率は。大分県の県立学校では、ヘルメットの着用を自転車通学の許可要件としている。全ての学校で校則に明記しては。

福永教育長 5月に登下校中の県立高校生を調査したところ、着用率は4・6%だった。県立高校生の55・2%が自転車で通学しているが、うち4割が公共交通機関と併用しており、持ち運びや保管が課題となっている。校則への明記は慎重を期す必要がある。