三重県内で令和7年に開かれる「第44回全国豊かな海づくり大会」の実行委員会は12日、津市新町1丁目のプラザ洞津で設立総会を開き、大会の会場に志摩市阿児アリーナ(同市)と宿田曽漁港(南伊勢町)を選んだ。大会の副題は「美し国みえ大会」とする。
実行委は県や市町、関係機関などの88人が委員を務める。会長には一見勝之知事、顧問には県議会の中森博文議長と山崎博環境生活農林水産常任委員長が就いた。事務局は県農林水産部に置く。
開催地は、沿岸の18市町に実施したアンケートの結果などを基に選定。移動のスムーズさや宿泊施設の多さ、防災上の観点などから志摩市阿児アリーナと宿田曽漁港の組み合わせが最適と判断した。
実行委は「水産業の持続的な発展と豊かな海や河川が次世代へ引き継がれることを目指す」などと定めた大会の基本構想や、大会のスローガンを募集することなどを盛り込んだ本年度の事業計画を承認した。
一見知事は設立総会のあいさつで「三重にとって海が重要なコンテンツであることは疑いの余地がない。県内で大会が開かれるのは名誉なこと。大会の成功に向け、皆さんの力を借りたい」と述べた。
橋爪政吉志摩市長は総会後の記者会見で「磯焼けなどの厳しい課題に直面する漁業者が活気を取り戻せる大会にしたい」と強調。上村久仁南伊勢町長は「大会の成功に向け、力の限りを尽くす」と語った。
大会は水産資源の保護や海の環境保全などを目的とした行事。国民体育大会、全国植樹祭、国民文化祭と合わせて「四大行幸啓」と呼ばれる。県内開催は昭和59年以来、41年ぶり2回目となる。
県は昨年7月、国から打診を受けて大会の推進委員会に県内開催を申請。同委員会は同年9月、県内開催を決めた。県は農林水産部の水産資源管理課に大会の推進班を設置し、開催に向けた準備を進めている。