【四日市】三重県四日市市の森智広市長は10日の定例記者会見で、救急隊が傷病者を観察した情報や救急現場の状況について医療機関へ伝送する「救急映像等伝送システム」を16日から導入すると発表した。映像を送ることで、救急救命士が行う救命処置の際、医師から適切な指示を受けられるほか、迅速な救急搬送と医療機関の受入れ体制確保ができるなどのメリットがある。リアルタイムで映像などを伝送するシステムの導入は県内初。
救急現場から医療機関に伝送するのは①12誘導心電図波形等②傷病者の状態等―で、システムを運用するのは消防本部が所有する全ての救急車(予備救急車3台含む14台)と市内3医療機関(市立四日市病院、県立総合医療センター、四日市羽津医療センター)。市によると、この3医療機関で市消防本部管轄の救急患者の89%を収容しているという。
人見実男消防長は「一昨年7月に導入した119番映像通報システムが非常に効果的だったため、今回の導入を決断した。これまで情報の錯誤があったが、映像を見せることで瞬時に情報共有できる」と述べた。
森市長は「救急の現場は1分1秒を争うので、有用な仕組みであると認識している。医療機関と現場のコミュニケーションがスムーズにいって、1人でも多くの市民の皆様の命を救えるように、しっかりと活用していきたい」と語った。