がん最新治療や予防解説 四日市で市民講座、専門医ら講演

【奥川氏のゲノム医療に関する講演を聞く参加者ら=四日市市安島の市文化会館で】

【四日市】三重県四日市市安島の四日市市文化会館で7日、県と住友生命、中外製薬の3者が「がんについて正しく知ろう! ~予防から治療まで」と題した市民公開講座を開いた。最新のがん治療や予防に関する情報を地元の専門医らが講演し、市内外から約250人が参加した。

講座は、県と住友生命が平成30年に締結した健康増進など諸分野についての包括連携協定の一環。

第1部では県医療保健部の中井宏人氏が県内のがんの状況や行政による相談支援の取り組みなどを紹介。県内のがんの罹患(りかん)率が男性で全国9番目に低く、女性は12番目に低いといった統計を発表し「三重はがんに強い県と言える。日頃の健康やがん予防への取り組みを続けていってほしい」と伝えた。

第2部では三重大学医学部附属病院の奥川喜永氏が、がんとがんゲノム医療について発表。がん細胞のゲノムを検査し、患者一人一人に合わせた治療につなげるための「がん遺伝子パネル検査」などを解説した。ほかに、市立四日市病院の豊田千裕氏、桑名市総合医療センターの油田尚総氏が順に乳がん、肺がんについての知見や診療に関する技術の進歩について講演した。

住友生命三重支社の江口武史支社長は「2人に1人ががんにかかると言われている中で、この講座を通して専門的な情報を知っていただく機会となれば」と期待した。