統合に保護者ら不安訴え 鈴鹿「小学存続3地区の会」 市教育長に会合で

【廣田教育長(右から2番目)にそれぞれの思いを語る会員ら=鈴鹿市徳田町の徳田ふれあい会館で】

【鈴鹿】児童数減少に伴う天栄中学校区の学校再編計画で、三重県鈴鹿市が3小学校を統合し、新たな学校の開校を目指す方針を示していることに反対する「小学校を存続させる3地区の会」(畑憲二代表世話人)の会合が5日夜、同市徳田町の徳田ふれあい会館であり、廣田隆延教育長が会員らの意見を聞いた。

会合には保護者など11人が参加。2年生の子どもを持つ同市御薗町の里中直子さん(37)は「学童で指導員をしている。統廃合のことをどこかで知った子どもたちが、自分たちはどうなるのかと不安がっている。子どもたちの意見を聞いてあげてほしい」と訴えた。

そのほか、会員らは「小中一貫校をつくる前に統合する必要があるのか。2回統合することになり子どもたちがかわいそう」「統合することで(出身校ごとの)壁ができ、いじめに発展しないか不安」など、それぞれの思いを廣田教育長に語り、改めて統合方針の白紙撤回を求めた。

廣田教育長は「複式学級が悪いとは思わないが、しない方がいいという思いが根本にある。1人の先生が2学年を指導することは負担も大きく、担任が違うクラスを行ったり来たりすることになると、子どもたちにも影響がある」と話した。会合を終え、廣田教育長は「反対の意見もよく分かる。みなさんの不安が大きいことを感じた。理解していただけるよう説明していきたい」と話した。

同中学校区には市の南部地域にあたる天名、合川、郡山、栄の4小学校があり、うち合川小では令和6年度、天名小では令和8年度から、2つ以上の学年をひとまとめにして1つの学級に編成する「複式学級」が発生する見込み。

複式学級回避のため、計画素案では栄小を除いた3小学校を統合した「新たな小学校」の令和8年度開校と、新たな小学校のほか栄小と天栄中の児童生徒を対象に、令和14年度をめどに早期開校を目指す小中一貫の義務教育学校の設置に向けた考え方を示している。